ホットな情報コーナー

2011年 6月 4日(土)〜 7月18日(月)
土砂災害防止月間 特別展
地震 富山県の地震の過去そして未来…

 関連行事
   防災講演会
大津波災害の脅威 −被災地を訪ねて−7月3日(日)

地震は土砂災害の大きな発生要因の一つです。東北地方太平洋沖地震でも津波の被害に隠れてしまっていますが、広域にわたって数多くの地すべり、土砂崩れが発生しました。富山県では1858(安政5)年に跡津川断層を震源とする飛越地震によって立山カルデラの一部稜線が崩壊し岩屑なだれが発生し、36人が犠牲になったほか、各地で発生した土砂災害で飛騨・越中合わせて約250人の死者を出しました。
特別展では、何故地震が発生するのかという基本的なことから、富山県内や周辺で存在が確認されている活断層について想定される地震の規模や震度分布、過去にどのような地震が富山を襲ったのか、地震の観測や研究はどのようにしておこなわれているのかを実験や体験を交えて理解が深められるよう紹介しました。
 
展示の一つとして液状化現象を再現する実験コーナーを設けました。
液状化現象は地震で生じる土砂災害の一種です。観覧者の方にこの現象を直感的に理解してもらうため、実験装置「エッキー」に自由にふれていただけるようにしました。この装置はペットボトルの中で液状化の様子を簡単に再現することができるもので、水の中に均質な砂とマップピンを2、3ヶ入れてあります。
砂をそっと沈殿させた状態のペットボトルにちょっとした振動を加えるとたちまち砂に埋まっていたマップピンが砂の上に浮きあがってきます。ちょっとした砂粒同士のかみ合わせが振動で外れて隙間を埋めていた水が動き出す。その瞬間を目で確かめられるようになっています。
実際にエッキーにふれた方の率直な驚きの声をあげる様子が度々うかがえました。
展示観覧状況
また体験型の展示として地震計の展示をおこないました。自然地震や博物館のすぐ近くを発着する電車による振動で機器の針が振れその動きが記録紙に書き込まれていきます。それだけではなく、人が地震計のそばを歩くだけで針が振れ、大きくジャンプするとそれだけ針の振れ幅も大きくなります。自分が起こした地震の大きさがどのくらいに記録されるのか、小さな子供から大人まで地震計の働きを楽しみながら学んで頂きました。
また自然地震の記録を見られた観覧者は、まったく五感では感じない小さな地震や遠く国外で発生した地震などを敏感に捉える地震計の感度の良さに感心しきりの様子でした。
ジャンプで人工地震
特別展の関連行事として、東北地方太平洋沖地震で発生した津波による災害について実際に現地を調査した防災情報機構会長の伊藤和明氏に講演していただきました。
穏やかだった海が溢れ、あらゆるものを呑み込んでいった津波。伊藤氏は、その破壊力を焼き付けた写真一枚一枚を丁寧に解説され、痛ましい光景を目にした私たち職員を含めた観覧者の方々は声もなく伊藤氏の声に聞き入るばかりでした。
被災地を訪ねて