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立山黒部アルペンルート(弥陀ヶ原台地)の南側に知られざるもう一つの立山ともいうべき「立山カルデラ」があります。周囲を切り立った断崖で囲まれ、容易に近づけないのであまり知られていませんが、中部山岳国立公園の一部です。
立山カルデラは、東西約6.5km、南北約4.5km、標高差が500〜1700mもある巨大なくぼ地です。立山火山に食い込んだ谷が激しい侵食作用によって拡大してできた侵食カルデラといわれています。カルデラの内部は美しい弥陀ヶ原高原と全く異なり、荒々しい風景の崩壊地が目立ちます。これまで度々崩壊しては、内部に土砂をため、大雨の度にその土砂が下流域に流れ出して大きな災害をもたらしてきました。そのため、この中では、これまで1世紀もの間、砂防工事が進められています。
一方で、こうした崩壊地にもそこに適応した動植物が生を営み、点在する池沼と共に荒れ地に潤いを与えています。また、カルデラ内の数カ所からは温泉が湧出し、戦前は立山温泉として湯治客や登山客、砂防関係者で賑わいました。
現在、立山カルデラは危険防止のため工事関係車両以外乗り入れ禁止となっています。
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