2000/9/6 vol.18a
チョウジギク
Arnica mallotopus Makino
キク科 ウサギギク属
山地の湿地にはえる多年草。 体験学習会でカルデラゲートから有峰トンネルの間で1カ所見るこ とができます。また、弥陀ヶ原では立山荘のすぐ裏手にありました。 地下茎は横に這い、茎は叢生(そうせい:群がりはえること)し、 高さ20〜90cmほどになります。細長くて白い毛が密生した花柄が特徴 的で、高山植物のウサギギクの仲間としては特異的に頭状花だけから なります(ウサギギクは舌状花、つまりひまわりの花びらのようなも のがあります)。 菊の園芸品種に丁子菊がありますが、別種です。どちらも花の様子 が薬草の丁子(字)のつぼみに似ているところから名付けられました。 丁子とはフトモモ科の熱帯樹木で、つぼみを乾燥させて香料(グローブ) とします。正倉院御物にも見られ、紀元前から知られています。15世 紀ヨーロッパではこれらの香料を求めて争奪戦が起こりました。紋所に 使われる丁子は丁子の花です。