2000/9/19
vol.20b
テンニンソウ
Leucosceptrum japonicum Kitamu.
シソ科 テンニンソウ属
山地の木陰や草地に群落をつくる多年草。
有峰林道や立山カルデラ内の道路沿いのいたるところに生育しており、秋の体験学
習会ではすぐにそれとわかる花です。また、博物館のジオラマ(六九谷から見たカルデ
ラ)にテンニンソウのつぼみがあります。つぼみはうろこ状の包葉と呼ばれるものに包
まれていますが、開花すると包葉は落下してしまいます。
シソ科では珍しい木化した地下茎から、シソ科に多く見られる断面が四角い茎を出し、
草丈は1m位になります。9月ごろ、茎の先端に淡黄色の唇形花が集まり、しっぽのよ
うな総状花序となります。一つ一つの花は筒形で、先端が5裂しており、4本の雄しべと
1本の雌しべは花冠より長く飛び出しています。
漢字で「天人草」と書き、この花の集まりを天女の舞いに見たてたという説があります。