2000/8/18
vol.16a
オオウバユリ
Cardiocrinum cordatum var. glehnii Hara
ユリ科 ウバユリ属
山野の林下にはえる多年草。立山温泉の跡地にも多く生育しています。太平洋側
の宮城県、日本海側の石川県より西に分布しているウバユリより大型で、一つの株に
花をたくさんつけます。
姥百合と書き、花が咲く頃には茎の基部の葉が枯れるので、
葉を歯に掛けて名がついたといいます。
属名のCardiocrinumはcardia(心臓)+crinon(ユ
リ)からきており、古くは花の形か
らユリ属に分類されていましたが、葉が心臓形の網状脈を持つ(ユリ属は平行脈)こと
などから別属に分類されました。
秋になると茶色い果実が上向きにつき、熟すと、中から半透明な翼を持った種子が
はらはらと周りに散らばります。種子から生長して花をつけるまでは6〜8年かかり、
開花すると枯死してしまいます。また、根は鱗片をつくり、親植物が枯死すると、小さな
鱗茎が分離し、無性生殖をおこない ます。