2000/7/18
vol.15a
ナツツバキ
Stewartia pseudo-camellia Maxim.
ツバキ科 ナツツバキ属
山地にはえる落葉高木。庭木にも利用され、博物館にも植えてあります。材木坂
の標高870m付近に巨木(幹周3m)がありましたが、残念なことに、先年雪害(?)
で折れてしまいました。
樹皮は若い枝が褐色から灰褐色で、古くなると剥落し、跡が淡い灰赤褐色、それ
が年を経ると灰色になり、それらが複雑に重なりあった独特の斑紋をつくるため、床
柱にも使われます。このような模様を持つ樹木は、他に街路樹としてよく使われるプ
ラタナスに見られます。
6〜7月に葉腋(葉の付け根)に白い直径
5〜6cmの花をつけ、花弁は5枚、縁
に細かい鋸歯(ギザギザがあります。
種名のpseudo-camelliaは偽のツバキという意味です(ツバキは3〜4月に咲き、
花弁に鋸歯がなく、葉は厚く常緑、樹皮ははげない)。
別名はシャラノキ、シャラソウジュと言いま
す。平家物語の中に出てくる 「沙羅双
樹」は、フタバガキ科のサラノキですが、いつの頃からか日本では沙羅の木と
して
寺院に植えられてきたよ うです。