2000/6/22 vol.10a

ギンリョウソウ

 Monotropastrum globosum H.Andr.
イチヤクソウ科 ギンリョウソウ属

  高さ7〜15cm、森の中の暗くて湿り気のある腐植土にはえており、材木坂を登ってい
るとあちらこちらで見ることができます。
  別名はユウレイタケといい、よく感じをとらえていると思いませんか? 漢字では銀竜草
と書き、竜の姿に見たてています。
  白っぽく植物にみえませんが、これでも立派な種子植物(双子葉類、合弁花類)です。
花の中を見ると黄色い葯と紫がかった柱頭、その奥の蜜腺の存在で花であることを主張
しているような感じもします。
  根は茶色く、丸い固まりのように見え、この中に菌類が共生しています(菌根という)。
菌類が落ち葉などを分解して栄養を作り、ギンリョウソウがその栄養 を利用しています。
そのため葉緑体が必要でなくなり、全体が白くなり、他の植物が生きることができないよ
うな暗い場所でも生活することができるのです。
  種子は1個0.001mgと、とんでもなく軽く、日本産植物の中で第3位(1位はナンバンギ
セルの0.0007mg、軽いと知られているラン科の種子は0.006mg)で、胚乳は12〜16細胞、
胚はたったの2細胞でできています。


    

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