2000/5/16 vol.1a

シャク  コシャク
Anthriscus sylvestris Hoffm
セリ科 シャク属

  山地の湿地や開けた斜面などに生える多年草。
  立山町横江から立山駅までの道路際に見事に咲き、道ぎわが白っぽく見えますが、
花が終わった頃には、除草の時期が来て、きれいに刈り取られる運命にあります。
博物館裏の斜面にも見られます。
  若葉と若茎は山菜として利用しますが、花の咲く前は有毒のミヤマキケマンと間違
えやすいので注意が必要ですが、シャクにはセリ科独特の香りがあります。根は多肉
でさらして粉にし、食用にします。陰干しにすれば消化促進などの薬草となり、中国東
北部や韓国では解熱、去痰(きょたん)作用のある生薬「前胡(ぜんこ)」の代用品とし
て用いられています。  花は5〜6月に、4個から15個集まって咲き、花弁は5枚、花
序の周辺部の花びらは外側が他より大きいのが特徴です。  果実は円柱形で長さが
6から8mm先がとがり、毛がなくなめらかで、黒く熟します。  茎は直立し中空、枝を
分けて高さ80から140cmにもなります。葉は互生し、長い葉柄があり、細かな複葉に
なっています。
  果実に上向きの短刺毛を出す変種は、オニシャク(ケシャク)と呼ばれます。

    

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