2000/5/23 vol.3b
フッキソウ(キチジソウ)
Pachysandra terminalis Sieb. et Zucc.
ツゲ科 フッキソウ属
ソウ(草)と名がついているが、山地の樹木の下にはえる常緑の小低木。茎は太さが8mm前後
ですが、樹木の年輪のように太くはなりません。
和名は富貴草(吉祥草)で、常緑の葉が茂る様子を家の繁栄を祝うたとえとしたという。
庭園の下草によく植えられており、博物館の庭木の下にも多く植えられていますが、まだ樹木が
よく茂っておらず、日光が当たりすぎるためか、葉の色が黄緑色でよわよわしい感じがします。直
射日光の当たらない場所は深緑で元気な様子がうかがえます。
茎は地下茎があり、地上部はよく伸び分枝、匍匐、上部は斜上し、高さ20〜30cmになります。
葉は厚く、互生ですが、集まっているため輪生のようにみえます。深緑色で光沢があり、長さ3〜
6cm。葉の上部に荒い鋸歯(ギザギザ)があります。
花は3〜5月に、茎の先端に咲き、花序(花の集まり)の上部に雄花が20〜30個、その下部に
雌花が5〜7個つきます。4枚のがく片だけで花びらはなく、雄しべは4本あり、白く目立つため、
一見花びらのように見えます。先端の葯は褐色です。